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Works

  • 泉太郎
    軟骨の旗
    2020
    Single channel video, color, sound
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(放ち送り)
    2020
    Single channel video, color, silent
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(逆さピラミッド)
    2020
    Single channel video, color, silent
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(時間殺しを殺させない)
    2020
    Single channel video, color, sound
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(2022.2.25)
    2020
    Single channel video, color, sound
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(野犬)
    2020
    Single channel video, color, silent
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(U)
    2020
    Single channel video, color, sound
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(置き忘れ)
    2020
    Single channel video, color, sound
  • 泉太郎
    コンパクトストラクチャー(カラーの巨人)
    2020
    Single channel video, color, silent

Press Release

 泉太郎は映像を常に扱いながら、絵画、ドローイング、立体、パフォーマンスなど複数のメディアと手法を交錯させる作品群で知られています。泉は2017年のパレ・ド・トーキョー以降、数々の場所で開催されてきた個展を通して、「見ること」と「見られること」や「見えないこと」の関係について一貫して問いを投げ続けてきました。本展では、今年6月にバーゼルのティンゲリー美術館で開幕する個展に先がけ、彼がこれまで撮りためてきた映像を用いた新作インスタレーションを発表します。

 本作は、泉が様々な展覧会に際し宿泊したホテルの部屋でひとり実践し続けていた実験のひとつです。彼は、顕微鏡や望遠鏡の発明により人間が視覚的に物事へ近づく術を手にして以来、私たちはいまだにカメラのレンズ越しに世界との距離を測り続けていると指摘します。その上で映像の 「編集され続けること」つまり「映画はカットの数だけ異なる時間に撮影された映像を列べることで辻褄を合わせ」ている点に着眼しました。この特性に対し、新作では撮影と編集を同時に行うという手法が取り入れられ、「映像の中にはいくつかの時間が並走」します。

 彼の活動は参加者や場所、方法論を固定せず、流動的に継続されており、展覧会のたびに新たに編成する制作チームは、制作過程において不可欠となる「内臓」として機能します。このような制作体制に対して、「コンパクトストラクチャー」は編集機材を介在せずフィジカルに編集されており、多方向に向けて並走する作家の思考を示すドローイングに似たプロセスを持っています。それは「内臓」という形を作る前段階、「スープのような状態」にあります。

「プロセスの扱いについて考えることは映像や画像と人間の関係について考えることにつながる」と語る泉。本展は「見ること」と「作ること」の関係を問い直すいくつかの実験を通して、作家の思考プロセスを読み解くためのヒントを与えてくれるでしょう。

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泉太郎 Taro Izumi